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- 院長が想像する理想の薬について「こんな薬の仕組みがあるといいな」と語るページです。
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- この世には様々な病気があり、それぞれに対して様々な薬剤が開発されてきました。
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- 一番の理想は「薬を飲まなくてよい状態になること」ですが、生活習慣病は「治ってしまう」
- ということは少なく、放置すると合併症を起こしてしまうため、そういった疾患の方々には定期的に薬を飲んでいただいています。
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- たくさんの薬が必要な患者さん
- 一人の患者さんに様々な病気が起こってくると、複数の薬を飲んでいただくことになることがあります。
- たとえば当院かかりつけのAさんは糖尿病、高血圧、陳旧性脳梗塞、不整脈、頻尿、腰痛症、便秘症があるため、8種類の薬を飲んでいただいています。薬を飲むだけでも一苦労です。なるべく薬を減らしたいと思って、不整脈の薬を減らしたりするとたちまち不整脈が再発してしまいます。この方にさし上げている薬は減らせないようです。このように多くの薬をやむを得ず続けている方は結構いらっしゃいます。
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- 合剤で錠剤の数を減らす
- 最近は合剤と呼ばれる複数の成分を含む薬が処方できるようになりました。たとえば高血圧症と脂質異常症(高脂血症)を両方患っているひとには、高血圧の薬と脂質異常症の薬を合わせて1錠として処方できる薬があります。ほかにも血圧の2成分を1つにまとめているもの、糖尿病の薬の2成分を1つにまとめているものなど様々なものが発売されています。これらの薬を使うと、本来2錠飲んでいた人が1錠だけで済むことがあり、薬を飲みやすくなります。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を中心に合剤の開発が進んでいます。ただ、すべての薬にこのような工夫があるわけではなく、やはり何種類もの薬を飲まなければいけないひとはいまだにいらっしゃいます。
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- また、合剤の欠点は薬の量の調節が難しい点です。たとえば高血圧と脂質異常症の合剤には血圧の薬としての強弱と脂質異常症の薬としての強弱をそれぞれ選ぶために1番から4番の4種類の薬があり、その中から選ぶようになっています。複数の病気に対応する合剤を作ってそれぞれの病気の軽重に合わせようとするとそれぞれの病気に応じて薬の量が変わるので、合剤としてはいろいろな量を含んだ錠剤を準備しないといけなくなります。
合剤にすると薬の量の調節のためにはいろいろな製剤を準備する必要がある。
そこで考えたのが以下の仕組みです。
患者さんに合わせた薬と量を選んだ後に1つのカプセルに詰めることができれば1回1カプセルの内服で済みます。技術的には難しいことなのかもしれませんが、製薬会社の方々、薬剤師の方々、いかがでしょうか?
@様々な薬をマイクロカプセル化して、粉状・顆粒状にする。
- A患者さんの病状に合わせた薬とその量を選択して複数の薬を一つのカプセルにまとめる。(調剤薬局などでえらんだ薬をカプセルに詰める)
いろいろな薬をカプセルに入れることができるように準備してこのやり方をすれば患者さんは1回1カプセルで済むようになります。
このカプセルにまとめる規格を
様々な製薬会社共通で作っていただくと、いろんな薬が1つにまとまって大変助かります。
技術的な問題点はいろいろあるとは思います。たとえばマイクロカプセルにすると表面積が増えるので胃酸の影響を受けやすくなると思います。
また薬が細かく混ざってしまうので今までよりも相互作用が強く出るなどの可能性もあるでしょう。
用法、用量の変更の場合には作り直しになってしまいます。
製薬の専門家が見ればほかにもさまざまな問題点が出てくると思います。
しかし、1回1カプセルにまとめることができたら、コンプライアンスは格段に上昇します。
患者さんたちはかなり内服を自己流にアレンジしてしまいます。特に薬の数が多いと、
その必要性や適応などとは関係なく間引いてしまったりします。
そうならないように指導するのも大事ですが、患者さんによっては「自分の好きなように飲みたい!!」
などとおっしゃって押し問答になったりします。
(どうしても指示を守ってもらえない場合で危険を伴う時には処方をお断りしますが。)
上記のような工夫があれば、指導や押し問答もせずにすむんじゃないかなと思います。
2011年11月30日記載:矢ヶ部伸也
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Last update: 2011/11/30 Copyright(C) Jyunshinkai incorporated medical institution