【 おたふくかぜについて 】
おたふくかぜはムンプスウイルスの感染による小児の急性感染症で、耳下腺を主とする唾液腺が
腫脹するので流行性耳下腺とも呼ばれています。
ウイルスは唾液腺で増殖するため、患者の唾液により飛沫感染します。
【 症 状 】
潜伏期間は18日前後で、発熱、頭痛、倦怠感などの症状が出た後、両側もしくは片側の耳下腺が
腫脹します。38~39℃の発熱が3~5日間、腫脹は3~4日間続いた後、次第に消失します。
合併症としては無菌性髄膜炎が10人1例、脳炎が5000~6000人に1例、睾丸炎などを生じ、
入院加療を要する場合が多くなります。
重篤な合併症として難聴があります。難治性のため後遺症を残すこともありますので注意が必要です。
【 ワクチンの効果 】
ワクチンは1歳から接種できます。1回目の数年後に2回目を受けるのがしっかりと免疫を
つけるために必要です。2回接種がおたふくかぜワクチンの標準的な受け方です。
おたふくかぜは麻疹など他の小児期における感染症と比較すると軽症あるいは無症状で終わる場合が
多いですが、中枢神経系、聴覚、睾丸、卵巣などの臓器が侵されたときには重症となる例が多く後遺症が
残る危険性があります。また免疫を持たない成人も同じように罹って重症となりやすいです。
地域で流行している時や、保育園に入園するなどでかかりやすい時は、1歳前でも接種することがあります。
最近、1歳すぐに接種すると無菌性髄膜炎がたいへんおこりにくいことも分かってきました。
【 副作用 】
副反応としては耳下腺腫脹が1%前後に認められ、無菌性髄膜炎はワクチン接種後2~3週間に
2000~3000人に1例の割合で認められます。自然感染による合併症からみるとはるかに低い頻度ですので
おたふくかぜの好発齢、特に10歳までにワクチン接種を済ませることが望まれます。
【参照リンク】
KNOW VPD:http://www.know-vpd.jp/children/va_mumps.htm
Last update: 2014/12/27 Copyright(C) Jyunshinkai incorporated medical institution